2018年1月より、銀行カードローンの即日融資は不可能になりました。
これで即日融資が可能なのは、「消費者金融系のカードローン」ということになります。
反社会的勢力との関係遮断に向け、銀行側の自主的な審査が追加されたためなのですが、その背景には金融庁の強力な指導の影響もあるようです。
金融庁による厳しい指導は今後も続くと予想されますが、消費者金融のカードローンは即日融資を続けられるのでしょうか。
大きな変動が始まった個人向けカードローンを取り巻く環境、その最新の現状を見てみましょう。
銀行のカードローンは即日融資ができなくなりました

即日融資をキャッチコピーにまでしていた銀行カードローンが、2018年1月よりその即日融資が不可能になりました。
銀行内に設置されている自動契約機でも同様で、カードは即日発行されますが融資は翌営業日になります。
新規融資の審査で、融資の申込者が反社会的勢力に関係していないかを厳しくチェックするため、警察庁のデータベースに照会をかける工程が追加されました。
警察庁からの照会結果が最短翌日(と言われています)になるため、当日中の融資は不可能となったのです。
それでは具体的にどのようなチェックが行われて、即日融資ができなくなったのでしょうか。
各銀行は通常の審査である保証会社への与信依頼と並行して「預金保険機構」※を経由して「警視庁」の反社会勢力データベースへ照会をかけます。
そこで該当データがあれば、さらに「預金保険機構」を経由して各都道府県警に個別紹介をかけます。
最初の「警視庁」データベース照会の回答が翌営業日となるため、即日の融資はスケジュール的に困難になる訳です。
状況によっては審査結果が出るまでに、2週間ほどかかる可能性もあります。
反社会勢力情報照会の流れ
銀行カードローン申し込み
- ステップ1.銀行
預金保険機構へ申込者情報を送信/(一次照会)
- ステップ2.預金保険機構
警察庁データベースで照会し結果を銀行にフィードバック/翌営業日
- ステップ3.銀行
- 該当無しなら通常手続
- 該当有りなら預金保険機構に再度照会申請
(二次照会)
- ステップ4.預金保険機構
該当都道府県警へ個別照会し結果を銀行にフィードバック/数日~2週間
- ステップ5.銀行
該当有りなら融資拒否
この施策と並行して、金融庁からCMや宣伝に過剰なキャッチコピーや不適切な表記をしないように、厳重な指導があるため、銀行では現在、融資スピードをうたい文句にすることもなくなったようです。
なお、金融庁は宣伝のモニタリングを継続して行うようです。
参考:全国銀行協会「反社会的勢力との関係遮断に向けた対応について」
消費者金融カードローンは即日融資可能
銀行カードローンが「反社会的勢力との関係遮断」や金融庁の指導でバタバタしている現状ですが、消費者金融カードローンは、平成18年(2006年)に改正された貸金業法でしっかりと規制されているため、今の銀行のような状況は既に通り越している段階になっています。
もちろん、反社会的勢力との関係遮断についても「日本貸金業協会」※が中心となり取組済みのため、当面は現行サービスの「即日融資」は継続できると思われます。(銀行や金融庁からのプレッシャーが無いとは言い切れません)
少なくとも現時点では、大手の消費者金融カードローンは、どこでも即日融資が可能です。
それだけでなく、自動契約機を使えば、銀行が休みの土日や夜間(時間の制限があります)でも即日融資が受けられます。
銀行で即日融資が受けられなくなったため、急ぎで資金が必要な場合など、消費者金融カードローンの存在価値は上がったと言えます。
参考:日本貸金業協会「貸金業界の自主規制機関としての役割について」
消費者金融カードローンのメリット・デメリット
メリット
- 即日融資が可能
- 自動契約機なら土日でも即日融資可能
- 銀行に比べ審査基準が優しい(状況によります)
- 初回融資時に無利息期間がある(ないところもあります)
デメリット
- 総量規制※があり年収の1/3までしか融資を受けられない
- 金利が高い(「J.Score」は除く)
- コンビニATM利用時に手数料がかかる(「レイク」除く)
- 店舗(無人店舗含む)に行くのに人目が気になる
消費者金融カードローンのおすすめは後程ご紹介いたします
総量規制について
貸金業法に定められた融資枠に関わる規制です。
銀行のカードローンは審査が厳しくなったのか

銀行カードローンは、反社会的勢力との関係遮断を目的とした自主規制により即日融資ができなくなりました。
しかしその背景には「金融庁」による厳しい指導による影響があったと思われます。
2017年から2018年にかけて、金融庁は銀行のカードローンに対して厳しい検査、指導を行っています。さらに、その後も厳しい監視体制を継続しています。
しかし、貸金業法の対象外である銀行がカードローンに積極的になり、消費者金融業者とは反対に大幅に貸付残高を増やすことになりました。
信用のある銀行のブランドで、消費者金融より低金利で、しかも総量規制も受けない有利な条件でカードローンを展開したのですから、急激に融資残高は増え続けます。
国の方針に逆行するような状況に、世間の銀行に対する批判は次第に高くなります。
それに対応するため、全国銀行協会は2017年3月の理事会で、「銀行による消費者向け貸付けに係る申し合わせ」をとりまとめ発表します。
「銀行による消費者向け貸付けに係る申し合わせ」の主な内容
1.配慮に欠けた広告・宣伝の抑制
貸金業法による総量規制の対象外であることや、年収証明書が不要であることを強調するなど、配慮に欠けた表示等を行わないよう努める。
2.健全な消費者金融市場の形成に向けた審査態勢等の整備
年収証明書の提出条件や貸付け審査、貸付枠など改正貸金業法の趣旨を踏まえる。
参考:全国銀行協会「銀行による消費者向け貸付けに係る申し合わせについて」
この申し合わせは、その後の銀行の自主規制の指針になるものですが、この時点では努力目標のような内容で、実態としては徹底されているとは言い難い状態でした。
全国銀行協会に会長を出しているメガバンクは、さすがに先行して自主規制を始めますが、地方銀行などの他の銀行は、検討はしているものの、実際に自主規制を実行するところは少数派で、取組みスピードにはバラつきがありました。
これに対し金融庁はいよいよ強い行動に出ます。同年9月に麻生副総理の記者会見で、下記の発言がありました。
前略
金融庁としても銀行のカードローンの業務運営の適正化をスピード感を持って推進することとしたいと思っておりまして、今般、業務運営の詳細な実態把握を進めるとともに、審査の厳格化を徹底するためにカードローン業務に関わる検査を実施し、・・・後略
引用:金融庁「麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(平成29年9月1日)」
実際に金融庁は、同9月よりメガバンクはじめカードローンの融資残高が多い12行に立ち入り検査を行い、実態の把握、今後の方針を「中間とりまとめ」として平成30年1月に公表しました。
参考:金融庁「銀行カードローン検査 中間とりまとめ・主なポイント」(平成30年1月)
さらにその後、上記の12行のその後の改善状況の調査、及び12行以外の銀行カードローンを取り扱う全銀行(110行)に対して実態把握を行い、平成30年8月に調査結果を取りまとめ公表しました。
参考:銀行カードローンの実態調査結果・主なポイント(平成30年8月)
参考:銀行カードローンの実態調査結果について・本文(平成30年8月)
「銀行カードローンの実態調査結果について」主なポイントまとめ
上記の「銀行カードローン実態調査結果」(平成30年8月)の主なポイントをまとめてみます。
1.年収証明書の取得基準
年収証明書の取得基準については、ほぼ全ての銀行において、貸金業法上の取得基準と同水準(新規融資実行の融資極度額50万円超)、もしくはより厳格な基準を設定しており、基準の引下げ・厳格化が大きく進んでいます。
引き続き、年収証明書の取得基準が貸金業法上の水準を超えている銀行に対しては、必要な改善を促していきます。
2.年収債務比率による融資上限枠の設定
約9割の銀行が、何らかの融資上限枠を設定しており、うち約7割の銀行が自行・他行カードローン及び貸金業者貸付を勘案して、年収の1/2または1/3を上限とする等、一定の改善が認められます。
今後、上限枠を設定していない銀行はもとより、上限枠を設定しているが、顧客の借入状況の把握が不十分な銀行や、上限枠の設定根拠に疑義がある銀行に対しては、必要な改善を促していきます。
3.融資実行後の定期的な顧客の状況変化の把握(返済途上管理)
融資実行時のみならず返済途上管理において、顧客の返済能力の変化を把握することが重要であるが、ほぼ全ての銀行において、こうした途上管理態勢の構築は不十分となっています。
各銀行においては、年収証明書の再取得など、速やかに途上管理態勢の構築を図る必要があります。
4.広告・宣伝の見直し
多重債務の発生抑制の観点から、広告・宣伝内容等に係る出稿時の事前チェック、放映・掲載後の事後モニタリングを実施し、必要に応じて内容等の見直しを行うことが重要です。
今後、広告・宣伝に係るモニタリング等の十分でない銀行、アフィリエイト広告のモニタリングを実施していない銀行に対しては、必要な改善を促していきます。
5.今後の対応
今後とも、多重債務の発生抑制の観点から、各行の業務運営が適切に行われているか、引き続きモニタリングしていくとともに、今回の調査で取組みが不十分と認められた点については、具体的な改善を促し、業界全体の業務運営水準の引上げに向けた取組みにつなげていきます。
参考:金融庁「銀行カードローンの実態調査結果について・本文」より抜粋・要約

銀行カードローンの自主規制の主なポイント
金融庁の指導に伴い、銀行が行う自主規制のポイントは下記の通りです。
- 新規融資実行の融資極度額が、50万円を超得る場合は年収証明書の提出を求める。
- 銀行カードローン及び貸金業者貸付の合計は、年収の1/2または1/3を上限とする。
- 返済途中の顧客の返済能力の変化を把握するために、年収証明書の再取得等を行う。
つまり、貸金業法の規制にほぼ準じた内容になっており、銀行によってはそれを超える基準を設定するケースも発生しています。
また、全国銀行協会では平成29年4月よりカードローンの貸付残高を毎月公表しています。
銀行カードローンの審査は確実に厳しくなると言えます。
銀行やカードローンの紹介サイトの情報にも注意が必要
銀行カードローンで即日融資が可能と掲載しているサイトもあり、古い情報に惑わされないようにしなければなりません。
さらには銀行自体のサイトも細部までの修正が追い付いていないケースがあります。
即日融資が可能なおすすめカードローン

銀行カードローンが即日融資を行わない中、消費者金融カードローンは、まだまだ即日融資に対応しているカードローンがいくつもあります。
無利息期間を設けることにより、少な目の借入で1年以内の返済をするなら、初回借入時には銀行カードローンに十分対抗できる金利設定のカードローンも存在します。
なお、即日融資を実現するためには、サイトからの入力や必要書類などに不備が無いことが絶対条件です。

各社によって必要書類が異なる場合があります。事前に各社サイト等でご確認ください。
50万円以上の借入れや、他社カードローンやキャッシングの合計が100万円を超えている場合は「年収証明書」も必要になります。
直近の源泉徴収票、直近2か月分の給与明細、または最新の確定申告書を準備しましょう。
銀行振込で借り入れる場合は、平日14時までに全ての手続きが完了していなければ、当日振込には間に合わない可能性があります。
できるだけ午前中に申し込むようにしましょう。
レイクは即日融資可能で5万円まで180日間無利息
少し解り難いですが、この無利息サービスは使い方次第でとてもお得になります。
「5万円まで180日間無利息」ということは、10万円を借りて6カ月(約180日)で完済すれば、単純計算で利息が1/2になるということです。
レイクの年利は18%ですので、年利9%ということになります。コンビニATM利用時の手数料が無料なのも大きな魅力です。
試算してみると[15万円借入れて、月1万円x17回の返済]で[年利:約13.9%]になりました。借入限度額と年利は通常のプランと多少異なりますが、十分な利用価値があります。
下記のページでシミュレーションできますので、ぜひご確認ください。
レイク
- 実質年率:4.5%〜18.0%
- 実質年率:12.0%〜18.0%※
- 利用限度額:1万円~500万円
- 利用限度額:1万円〜200万円※
- 審査時間:最短即日
- 融資時間:最短即日
※1:180日無利息の場合は年率、限度額が制限されます
特徴
- Web完結で申し込み可能
- 契約日の翌日から30日間無利息 または
- 5万円までの借入れが初回契約日の翌日から180日無利息(5万円超借入の場合は5万円迄の部分が無利息)
即日融資可能で30日間利息無料のカードローン
プロミス
- 実質年率:4.5%〜17.8%
- 利用限度額:1万円~500万円
- 審査時間:最短30分
- 融資時間:最短1時間
特徴
- Web完結で申し込み可能
- 初回ご利用日の翌日から30日間無利息
(メールアドレスの登録及びWeb明細利用が無利息の条件) - 自社及び三井住友銀行の提携ATMなら手数料無料
- 「スマホATM」ならセブン銀行ATMで原則24時間365日融資可能
アイフル
- 実質年率:3.0%~18.0%
- 利用限度額:最大800万円
- 審査時間:最短30分
- 融資時間:最短1時間
特徴
- Web完結で申し込み可能
- 契約日の翌日から30日間無利息
アコム
- 実質年率:3.0%~18.0%
- 利用限度額:1万円~800万円
- 審査時間:最短30分
- 融資時間:最短1時間
特徴
- Web完結で申し込み可能
- 契約日の翌日から30日間無利息
- 自動契約機(むじんくん)なら9:00~21:00までお申し込み可能
プロミスは「初回借入時」から、アコム、アイフルは「初回契約時」から30日間利息無料になります。他2社も契約と同時に借入れる場合は、同じ条件になります。
参考のため、上限金利14.6%の「三菱UFJ銀行」と上限金利17.8%で30日間利息無料の「プロミス」で、10万円を借入れて分割払いで返済する場合の支払利息を比較しました。※バンクイックは金利(年1.8%~14.6%)の上限金利で利息計算
返済回数 | 三菱UFJ銀行 | プロミス |
---|---|---|
5回 | 3,677円 | 2,882円 |
9回 | 6,176円 | 5,813円 |
10回 | 6,807円 | 6,551円 |
12回 | 8,077円 | 8,042円 |
13回 | 8,714円 | 8,790円 |
- 三菱UFJ銀行:金利14.6%
- プロミス:金利17.8%(初回30日分無利息)
両社の返済シミュレーションのページで表示された金額を基に計算しています。
プロミスの支払利息の計算方法は、初回の支払利息を0円で返済した場合でシミュレーションして計算しました。(当サイトの試算のため、実際とは誤差が出る可能性があります)
12回払いまでは、プロミスの方が支払利息は少ないのです。元の年利の差が3.2%ありますが、12回払いでは年利15%程度の利息になっています。
他の2社も金利は大差ないので、ほぼ同じ状態になります。
なお、上記の4社については各社の自動契約機なら土日祝日や夜間でも即日融資を受けられます。

銀行カードローン以上に低金利で即日融資可能な新世代のカードローン「J.Score」
J.Score
- 実質年率:0.8%~12.0%
- 利用限度額:10万円~1,000万円
- 審査時間:最短30分
- 融資時間:最短1時間
特徴
- Web完結で申し込み可能
- みずほ銀行とソフトバンクが合同出資した消費者金融業者
- 入力された情報から個人の属性をAIが審査する新しいシステム
- 本審査は他社同様行われ、審査結果はメールにて通知
- PCかスマホからの利用のみでカードは発行されません
- 借入は振込のみ、返済は口座振替、振込、ペイジーでATMは不可
- 振込手数料はかかりません
銀行以上の低金利で、しかも即日融資が可能ですが、振込での融資のみなので、銀行の営業時間以外での即日融資は受けられません。
まとめ
銀行カードローンの即日融資ができなくなったこと、さらには金融庁の指導強化により、審査基準や融資条件が厳しくなり、銀行カードローンの消費者金融カードローンに対する優位性が薄れてきています。
金融庁の監視、指導はまだまだ継続しそうですので、この状態は変わりそうにありません。
とはいえ、銀行カードローンは、低金利やATM手数料が無料などのメリットは変わりなく魅力的なものです。
