1千円未満の債務は無かったことに
消費者金融がもっとも避けたい返済は「完済」である。「いずれは完済してもらう必要があるお金」なのだが、「完済」されてしまうとお客ではなくなり利益が出ないという金融機関特有の事業構造がある。利用者からすれば「カネの切れ目が縁の切れ目」と考えても何ら差し支えないが、カードローンを提供している金融機関からすればそれは顧客の離脱という意味になる。
そのため、1000円未満の借入残高は返済しなくてもいいという不思議な制度があるのです。
1000円未満の債務は返済しないでいい?
カードローン、キャッシング各社は気付かれないように「善意の延命工作」を図っている。
これはATMによる返済が主流になって生じた「副産物」だが、通常、返済金は「何百何十何円」という「端数」でやり取りされる。しかし、ATMはシステム上「小銭」に対応していないところがいまだ多く、完済しようとした場合「端数の金額を消費者金融がもらいすぎる」というケースが生ずる。
前述のようにこれでは、「完済してもらってしまった」という変な言い回しの結果がでてしまうのだ。
そこで、消費者金融の善意の策として繰り出されたのが「1千円未満の債務については、取引上完済として扱う」という仕組みである。
すなわち「1千円未満」の債務は「その分は無利息で融資する形を取っている」ということだ。
これで利用者の余剰金を預かる障害や手間も省け、また帳簿上「完済」ともならず営業的にも都合がいい。さらに、一番大きい理由として「いいお客さんを自分のところにつないでおける」という効果を生んだのである。
利用者から見ても「次に利用するときまでは、無利息で貸してくれているため返済する必要はない」ことになるので、考えようによってはありがたいかもしれない。
この「1千円未満債務」だが、解釈上、半永久的に無視することも可能で、その消費者金融を利用しなければ無視できる。また、「半年間、そのままの状態 (該当期間内に、借入等あらゆる取引がない場合)、その債務自体が消滅する」ところもある。つまり「本当は、何首何十何円の債務が残っているはずだが、それを0円としてくれる」ということである。
これはお得な制度だが、意識して使うものではない。
本来は、完済したらカードローンは解約しておくのが一番なのである。
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