知らないと怖い!カードローン金利や利息の決まり方、金利の計算方法を丁寧に解説

カードローンでお金を借りる時に重要なポイントのひとつが「金利」です。これを無視して借りる人は、ほとんどいないと思います。

どのカードローンもちゃんと金利を表示して募集をしていますし、借りようとしている人もしっかりと見てはいるはず。

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「でも、正直言って見ても理解できない。」
「言葉も難しいし仕組みよく分からない。」

そんなカードローンの「金利」を詳しく解説いたします。

カードローンの金利の意味

カードローンの金利の意味

カードローンのサイトなどには、必ず金利の表示があります。

  • 「利息」
  • 「年利」
  • 「借入利率」
  • 「適用金利」
  • 「実質年率」

などなど、いろいろな言葉で書かれていて、何が何だか良くわかりません。

それぞれ同じような言葉ですが、ちゃんと意味の違いがあります。

  • 「利息」はお金を貸す側が、元本に対して追加して受け取るお金
  • 「借入利率」や「金利」は、お金を借りる側が、借りたお金に追加して支払う金額の割合

このような意味があります。

「実質年率」とは

実質年率とは、「貸金業法」で定められた計算方法で算出した利率で、貸金業法の対象である「消費者金融業者」は表示を義務付けられています。

その意味は、債務者(借りる人)が元本(借りたお金)の金額に加えて支払わなければならない費用(金利、手数料、保証料などの全て)の総額を、年間の金利(1年間借りたとして)として計算して、その利率を表したものです。

例えば、10万円を借りて1年間で返すとします。

1年分の金利が18%で18,000円、保証料+手数料が2%で2,000円だとしたら、

(18,000円+2,000円)÷100,000円x100=20%

実質年率は20%になります。かなり単純化してますが、このように計算した利率が「実質年率」ということです。

なぜこのような規則があるかと言えば、別枠で高額な手数料などを取られるようなことがないように、消費者を守るために定められた規則なのです。

つまり、「実質年率」の表示がない業者(消費者金融業者)でお金を借りるのはやめた方が良い、という判断基準にもなります。

「実質年率」という言葉が身近ではなく解り難いので、会社によっては、金利一覧表などを掲載する際に、解りやすいように「年利」など、言葉を変えている場合がありますが、どこかに小さく「(実質年率)」と書いてあるはずです。

なお、この規則は「貸金業法」で定められている関係で、銀行は規制の対象外になっています。「総量規制」と同じですね。

銀行のサイトなどを見ればわかりますが、「年利」「借入利率」「お利息」などと書かれていて「実質年率」とは書かれていません。

しかし、銀行のカードローンの場合、金利以外の手数料を取られることはほとんどありません。表示されている利率で消費者金融と比較しても問題はありません。

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つまり、「実質年率」や「借入利率」と言葉が違っていますが、通常は同じものと考えてよいでしょう。

フリーローンやマイカーローン

なお、余談ですがこの規則はカードローンだけでなく、対象の業者が行う融資(住宅ローンやマイカーローンなど)も対象になります。

銀行の場合は、金利には手数料や保証料は含まれず、別枠で表示してあります。

消費者金融の場合は、銀行と比較できるように手数料などを含まない利率も表示されていますが、必ず手数料を含んだ「実質年率」を表示しています。

金利の上限は法律で定められている

金利の上限は法律で定められている

カードローンの金利は、多少の違いはありますが、概ねどの会社も同じような利率で設定されています。

特に上限金利(「3%~18%」などの「18%」)は消費者金融、銀行の違いはありますが、同業者同士ではだいたい近い利率が設定されています。

これは、談合とかしている訳ではなく、「出資法」と「利息制限法」という法律によって、貸付金利の上限が定められているからです。

「出資法」では、年20%を超える金利で契約したり、利息の請求をすることを禁止しています。(金融業者対象)

これに違反した場合は、金融業者の場合には10年以下の懲役または3,000万円以下の罰金、あるいはその両方が科されることになります。

「利息制限法」は、下記の通り貸付金額によって上限金利が設定されています。

貸付金額(元本) 上限金利
10万円未満 年20%まで
10~100万円未満 年18%まで
100万円以上 年15%まで

参考:電子政府の総合窓口「利息制限法」

「利息制限法」には、「出資法」のような罰則はありません。しかし、基準を超えて金利を支払った場合は、返還を求めることができます。いわゆる「過払い金」です。

各社とも、この二つの法律をベースにして金利を設定しているのです。

カードローンの金利の仕組みと基本的な計算方法

カードローンの金利の仕組みと基本的な計算方法

カードローンの借入利息の計算方法を、さらに細かく見てみましょう。

金利の表示は、1年分の「年率」で表示されていますが、実際の支払利息は日割りで計算されます。返済利息の計算は、基本的には下記の式で行われます。

支払利息=元金(借入残高)×年率÷365日(うるう年は366日)×借入日数
  • 10万円を年利18%で借りて1か月(30日)で一括返済した場合

100,000円×0.18÷365日×30日=1,479円

  • 10万円を年利18%で借りて20日で一括返済した場合

100,000円×0.18÷365日×20日=986円

カードローンで現実にはない返済方法ですが、10万円を借入の1年後に一括返済した場合は、表示の年率の通り元金の18%である18,000円が借入利息になる計算です。

つまり完済までの日数が少ないほど、支払利息は少なくなるということです。

分割払いの場合

現実的には一括払いではなく、分割払いになる場合が多いのです。

その場合は、毎月の返済のたびに借入残高が少なくなっていくので、その都度、残高に対して支払利息を計算するため、返済が進むのに比例して利息も少なくなっていきます。

その利息の合計を、返済回数で案分して毎月の支払額を算出していきます。

こうなってくると、計算はかなり複雑になってきますが、基本的な算出方法は同じです。

10万円を年利18%で借りて4回払いで返済する場合の例

回数 返済金額 元金 利息 残高
1 25,944 24,444 1,500 75,556
2 25,944 24,811 1,133 50,745
3 25,944 25,183 761 25,562
4 25,944 25,561 383 1
5 1 1 0 0
累計 103,777 100,000 3,777

1年を365日、借入日から30日ごとに返済した場合の目安

参考:アコム「返済シミュレーション」

カードローンの上限金利・下限金利と限度額の関係

カードローンの上限金利・下限金利と限度額の関係
カードローンの金利は、「1.8%~14.7%」などのように、最低金利と最高金利が設定されています。

これを「下限金利」「上限金利」と呼びます。

借入限度額が高く、信用度も高い場合は「下限金利」に近い金利が適用されます。

反対にその会社にとっての初回借入で、年収が少なかったり、他社借入があるなど信用度が低く、借入限度額も少ない場合は「上限金利」が適用されます。

各社とも、借入限度額に対して金利が設定されています。

初回借入の場合、実際には借入限度額いっぱいに借入ができることは少なく、実績もないので「上限金利」に近い金利が設定されることが多いです。

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「下限金利」を見ると安く感じてしまいますが、金利を比較する際は「上限金利」も重視しましょう。

三菱UFJ銀行の場合は、下記のように設定されています。

利用限度額 借入利率(年利)
500万円以下400万円超 年1.8%~年6.1%
400万円以下300万円超 年6.1%~年7.6%
300万円以下200万円超 年7.6%~年10.6%
200万円以下100万円超 年10.6%~年13.6%
100万円以下10万円以上 年13.6%~年14.6%

消費者金融のアコムの場合は、下記のように設定されています。

利用限度額 借入利率(年利)
800万円~501万円 年3.0%~年4.7%
500万円~301万円 年4.7%~年7.7%
300万円~100万円 年7.7%~年15.0%
99万円~1万円 年7.7%~年18.0%

現実的には、限度額「100万円以下10万円以上」で借り入れるケースが多いと思われますので、その場合の借入利率は、「年13.6%~年14.6%」の範囲で、審査の結果、返済能力や信用度合いなどを勘案して適用されます。

各社の借入利率と借入限度額の関係

会社 借入利率(年利) 利用限度額
三菱UFJ銀行 1.8%~14.6% 10万円~500万円
みずほ銀行 2.0%~14.0% 最大800万円
楽天銀行 1.9%~14.5% 最大800万円
J.Score 0.8%~12.0% 10万円~1,000万円
プロミス 4.5%〜17.8% 1万円~500万円
アイフル 3.0%~18.0% 最大800万円
アコム 3.0%~18.0% 1万円~800万円

なお、三菱UFJ銀行同様、各社とも借入限度額に対して適用金利を設定しています。

こうやって見ると、借入限度額が高いほど、借入利率の「下限金利」が低くなっているのが分かります。

また、消費者金融業者より銀行のカードローンの方が金利設定が低いことも分かります。

よほど年収が高くて信用度が高くない限り、「下限金利」で借入れすることは難しいです。
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各社の金利を比較する場合は、「上限金利」で比較するようにしましょう。

無利息期間があるカードローンと低金利カードローン、どっちがお得?

無利息期間があるカードローンと低金利カードローン、どっちがお得?

消費者金融のカードローンは、実質年率で銀行のカードローンより「上限金利」が高い傾向があります。

その対抗策というか、何社かは初回借入時に30日間利息無料などの特典を付けています。短期間で返済が可能なのであれば、低金利で借り入れができることになります。

では分割払いの場合、何回払いまで利息無料の効果があるかシミュレーションで確認してみました。

比較するのは、上限金利14.6%の「三菱UFJ銀行」と初回借入から30日間利息無料の「プロミス」です。

10万円を借入れて分割払いで返済する場合の支払利息を比べてみます。

返済回数 三菱UFJ銀行 プロミス
5回 3,677円 3,009円
9回 6,176円 6,075円
10回 6,807円 6,851円
12回 8,077円「 8,411円
  • 三菱UFJ銀行:金利14.6%
  • プロミス:金利17.8%(初回30日分無利息)

両社の返済シミュレーションのページで表示された金額を基に計算しています。

プロミスの支払利息の計算方法は、単純計算で支払利息の合計から初回分の利息(1,483円)を引いた金額になっています。(実際とは誤差が出る可能性があります)

9回払いまではプロミスの方が支払利息は少ないのですが、10回以上になると逆転してしまいます。年利の差が3.2%ありますが、この差は意外に大きいことが分かりますね。

無利息期間が無かったら、さらに1,483円利息が加算されるのですから、無視できない金額です。

それでも、翌月一括や5回以下の短期間で返済できるのであれば、この特典は十分お得に活用できるシステムです。

無利息期間が用意されている主なカードローン

会社 無利息期間 上限金利 無利息になる条件、その他
プロミス 初回借入日の翌日から30日間無利息 17.80% メールアドレスの登録
Web明細利用の登録
アコム 契約日の翌日から30日間無利息 18% 返済期日「35日ごと」で契約※1
アイフル 契約日の翌日から30日間無利息 18%
レイク 契約日の翌日から30日間または5万円まで180日無利息※2 18%
ジャパンネット銀行 初回借入日から30日間無利息 18% ローンカードなし
ネットからの申し込み

※1:借入金の返済期日が毎月ではなく「返済日の35日後」が次回の返済期限になる。
※2:無利息期間のパターンを次の2種類から選択できる。

  • 初回契約日の翌日から30日間
  • 5万円までの借入れが初回契約日の翌日から180日無利息(5万円超借入の場合は5万円迄の部分が無利息)

参考:アコム「よくある質問」
参考:レイクシミュレーション

カードローンの金利をシミュレーション

カードローンの金利をシミュレーション

前項の利息比較で返済シミュレーションを使いました。

全社ではありませんが、自由に金額や回数を入力してシミュレーションできるページが用意されています。

借入金額と返済期間から支払額を確認するパターン、借入金額と支払金額から返済期間を確認するパターンなど、各社違いはありますが、いろいろなシミュレーションができます。

どこのカードローンにするか迷った時はもちろん、借入~返済の計画を立てるのにも、とても便利ですので、ぜひ活用しましょう。

なお、シミュレーションの際に「金利」を自分で入力しなければならないのですが、これが分かりづらく、自分で金利を決めるのは難しいですよね。

ほとんどの金融機関で、借入限度額に対する借入利率の一覧が掲載されているはずですので、それを参考にして金利を入力してください。

借入額に適用されている利率の上限金利を入力すればよいでしょう。

例えば三菱UFJ銀行の場合、借入限度額が「200万円以下100万円超」のとき借入利率は、「年10.6%~年13.6%」なので、借入額を150万円でシミュレーションするときの金利は「13.6%」を入力しましょう。

「カードローンの上限金利・下限金利と限度額の関係」項目内の表をご参照ください。
代表的な会社のシミュレーションのページをご紹介いたします。

金利や金額は任意で設定できるところと、選択肢から選ぶところがあります。

お目当ての業者、またはご自身で使いやすいと感じたページをブックマークして、借入の際の返済計画に活用しましょう。

金利の安いカードローンのおすすめ

金利の安いカードローンのおすすめ

金利が安いという視点から、おすすめのカードローンを選んでみました。

最終的には総合的に内容を見て選んでいただきたいですが、やはり金利は特に重要ポイントです。

消費者金融の「J.Score」は別格として、金利では銀行カードローンが低い傾向になります。またレイクは10万円程度の借入れであれば、180日無利息を選択するとかなりの低金利になります。

融資のスピードは消費者金融の方が早いので、ご自身の目的や状況に合わせてご判断ください。

みずほ銀行カードローン

「みずほ銀行カードローン」の公式サイトはこちら

  • 年率:2.0%~14.0%
  • 利用限度額:最大800万円
  • 審査時間:-
  • 融資時間:-

特徴

  • 上限金利が低い
  • Web完結で申し込み可能
  • みずほ銀行のキャッシュカードを持っている場合は、お手持ちのカードにローン機能を追加できる
  • コンビニATM手数料は月4回まで無料

イオン銀行

「イオン銀行」の公式サイトはこちら

  • 実質年率:3.8%~13.8%
  • 利用限度額:10万円~800万円
  • 審査時間:-
  • 融資時間:最短翌日

特徴

  • 上限金利が低い
  • 口座が無くてもWebから申し込み可能
  • ATM手数料無料 一部対象外、未提携あり
  • コンビニ(セブンイレブン除く)、ゆうちょ銀行ATM手数料無料

ソニー銀行

「ソニー銀行」の公式サイトはこちら

  • 実質年率:2.5%~13.8%
  • 利用限度額:10万円~800万円
  • 審査時間:-
  • 融資時間:最短翌日

特徴

  • 上限金利が低い
  • 口座が無くてもWebから申し込み可能
  • ATM手数料無料(一部対象外、未提携あり)
  • コンビニ(セブンイレブン除く)、ゆうちょ銀行ATM手数料無料

プロミス

「プロミス」の公式サイトはこちら

  • 実質年率:4.5%〜17.8%
  • 利用限度額:1万円~500万円
  • 審査時間:最短30分
  • 融資時間:最短1時間

特徴

  • Web完結で申し込み可能
  • 初回ご利用日の翌日から30日間無利息(メールアドレス登録及びWeb明細利用の場合)

レイク

「レイク」の公式サイトはこちら

  • 実質年率:4.5%〜18.0%
  • 実質年率:12.0%〜18.0%※
  • 利用限度額:1万円~500万円
  • 利用限度額:1万円〜200万円※
  • 審査時間:最短即日
  • 融資時間:最短即日

※180日無利息の場合は年率、限度額が制限されます

特徴

  • Web完結で申し込み可能
  • 契約日の翌日から30日間無利息 または
  • 5万円までの借入れが初回契約日の翌日から180日無利息(5万円超借入の場合は5万円迄の部分が無利息)

J.Score

「J.Score」の公式サイトはこちら

  • 実質年率:0.8%~12.0%
  • 利用限度額:10万円~1,000万円
  • 審査時間:最短30分
  • 融資時間:最短1時間

特徴

  • 効率化を徹底し、消費者金融の中でも特別安い金利設定
  • インタビュー形式で入力されたさまざまな情報から、個人の属性をAIが審査して、本人の信頼性や現在~将来の支払い能力などをポイント化することで、借入条件(金利など)を算出する「スコアレンディング」という新しい個人向け融資システム
  • PCかスマホからの利用のみでカードは発行されません
  • 借入は振込のみ、返済は口座振替、振込、ペイジーでATMからの返済はできません

まとめ

カードローンを選ぶ基準は金利だけではなく、融資スピードや審査の厳しさなど、利用者の方によって違います。

金利の計算は一見難しそうですが、その仕組みさえわかれば

また、金利だけではなく、ATM手数料なども利用回数が多くなれば結構な負担になります。(銀行のカードローンは無料が多く、消費者金融カードローンはほとんど有料です)

借入金額や返済期間など、シミュレーションを使って有利な条件のカードを探してください。


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