三菱UFJ銀行員「ローン審査はアコムに丸投げ」

三菱UFJ銀行員「ローン審査はアコムに丸投げ」

2012/8/31 Business Journal

 2012年3月期決算で、国内企業としてはトップとなる9813億円もの最終利益を計上し、今月発表された「世界の主な金融機関の信用力ランキング」(英調査会社マークイット・グループの調査)では第3位にランクインした三菱UFJ銀行(以下、三菱東京)。好業績と高い信用力を受け、今後のさらなる海外事業拡大を狙う、まさに“メガバンクの中のメガバンク”である当行だが、実は、消費者金融業者のアコムと提携し、いわゆるサラ金業者としての顔も持つ。
 改正貸金業法の全面施行による消費者金融業界の凋落を受け、三菱東京の「バンクイック」、三井住友銀行の「三井住友銀行カードローン」など、メガバンクが提供するローン商品が、いま注目を集めている。

「実は提携する消費者金融業者に丸投げ」など、その驚くべき実態について、三菱東京・A氏に赤裸々に語ってもらった。

――貸金業法改正を受け、三菱東京とアコム、三井住友銀行とプロミスなどのように、大手行と消費者金融業者との提携は進みました。本音のところ、提携の目的はなんでしょうか?

A氏 本改正では、「総量規制」が定められ、利用者の年収額3分の1を超える金額の貸し付けを、消費者金融業者は禁止された。しかし、総量規制が適用されるのは、「カードのキャッシング」と「サラ金からの借り入れ」に限られている。「カードローン」「フリーローン」などと呼ばれている銀行のローン商品は、適用除外である。つまり、銀行のローン商品は、消費者金融、サラ金で借りられなくなった人のための受け皿と思ってもらっていい。

 実は、ウチの永易克典頭取(当時)も、「消費者金融からお金を借りられなくなった人の“受け皿”となることは、銀行としての責務」と、各種報道のインタビューにも答えている。

――提携により、銀行側と消費者金融業者側それぞれ、どのようなメリットがあったのでしょうか?

A氏 消費者金融業者は、表舞台での活動を控える裏で、銀行の名前で業務を行うことができる。業者側とすれば、銀行の信用と名前で商売ができる。銀行側も、消費者金融との提携でリテール業務の裾野が広がる。お互いにメリットのある話だ。

名は「銀行」、実質は「サラ金」

――アコムとの提携について、三菱東京内では、どのように受け止められていましたか?

A氏 消費者金融業界の人たちには申し訳ないが、行内では、社会的責任と信用の高い銀行が、「なぜカネ貸しに手を染めなければならないのか?」という声はある。しかし、銀行業界も不況の中、銀行員のプライドどうこうなど言っていられないので、やむを得ないが……。

――提携により、銀行のローン商品は、利用者が借り入れを申し込むと、保証会社として業務提携している消費者金融が審査を行う形になりましたが、そのスキームはしっかりと機能しているのでしょうか?

A氏 実質的には、銀行は名前と場所を貸し付けているだけ。なので、利用者側から見れば、貸金業法改正以前の審査基準で、銀行のローン商品の利用、すなわち借り入れが可能というわけだ。キャッシング商品、それから消費者金融で借り入れ額が多額の人でも、銀行のローン商品ならば融資が可能というケースは多々見聞きする。

 こうした銀行のローン商品は、ウチでは「バンクイック」、三井住友銀行では「三井住友銀行カードローン」という商品名で取り扱われている。

アコムに丸投げ

――つまり、「銀行のローン商品」と言いつつ、実態は業者に丸投げということでしょうか?

A氏 これら銀行のローン商品だが、もともと銀行側はそのノウハウがない。そのため、保証会社、すなわち消費者金融業者側に業務は丸投げされており、ほぼ業者のノウハウで運用されている。なので、銀行側から見ると、従来の銀行での融資業務では考えられない緩い審査基準となる。

――その審査基準について教えてください。

A氏 固定電話があり、家族構成、勤務先での勤務実態が確認できれば、多少、借り入れ額が多くとも、貸し付けは可能。他社での借り入れ返済を約束した上で貸付額を増やせば、その分、貸し手(銀行側)は、安定した収益が得られる。

 そもそも銀行、そして消費者金融も、私企業である以上、多くの人に利用されて初めて収入が得られる。つまり大勢の人に「お金を借りてほしい」のだ。

 実際、銀行のローン商品でも、消費者金融でも、営業ノルマ、つまりどれだけ多くのお客様にお金を借りていただくかが勝負。なので、上司から『とにかく貸し出せ』というプレッシャーは相当きつい。

延滞、債務整理、自己破産さえしていなければ融資可能

――実際に利用者が銀行や消費者金融で新規に借り入れを行う場合、どのような審査が行われているのでしょうか?

A氏 新規借り入れの申し込みがあると、まず日本信用情報機構などの信用情報機関に対して、借り入れ希望者の情報の開示要求をし、その結果を見て与信額(融資できる金額)を決める。その際、過去、延滞などが多い、もしくは債務整理や自己破産などを行っていなければ、ほぼ通る。

 この後、自宅への電話や勤務先への在籍確認が行われる。この時、銀行のローン商品であれば、借り入れ希望者の年収に関係なく、借り入れ希望額が50万円以上、もしくは他社での借り入れ額が100万円を超える場合には、サラリーマンならば源泉徴収票の写し、自営業者ならば確定申告書の写しなどの「収入証明書」の提出を求めることになる。

 この収入証明書は、銀行にしろ、消費者金融にしろ、とにかく出していただければいいというのが実態。本人が提出した書類の内容の裏を取るようなことは、ほとんどしていない。

 なので、実態としては、銀行のローン商品、消費者金融での融資審査部門では、源泉徴収票の写しが、偽造・改竄の疑いがあるものであっても、勤務先の在籍確認が取れ、かつある一定の基準を満たしていれば、そのまま審査を通すことがほとんどだ。

 また、借り入れ額が多くとも、家族持ちで、勤務先に勤務実態があれば、返済の見込みはあると判断する。とにかく利用者を増やすという目標もあり、目をつぶる風潮が強い。

――自営業者の場合も同様でしょうか?

A氏 いや、自営業者の場合は、貸し付け額が100万円を超えるとき、ウチの銀行では、偽造・改竄が行えない、市役所が発行する納税証明書の提出を求めている。そのため、収入証明書の改竄・偽造は不可能だ。

 あまりよそ様のことは言いたくないが「三井住友銀行カードローン」は、自営業者の方には、確定申告書の写しだけの提出を求めていると聞いた。ウチもこうすれば、もっと多くの方に利用していただけるのに……。

カードローン比較ラボ編集部コメント

 当サイトの記事を読んでいただいている方は、何をいまさら。という感想だろうが、やはり銀行員が語っている信憑性は非常に高いニュースである。銀行は、キャッシングに対するノウハウ、ここで言うノウハウは貸し倒れがおきないように審査をするノウハウであるが、これがほとんどない。ただ、総量規制という都合のいい法律ができたたtめ、銀行が隠れ蓑になる必要が出てきてこのような状況が生まれたといえるだろう。銀行カードローンを借りても、審査も消費者金融、返済不能時の取立てなども消費者金融なのである。ただ、銀行が主体のため総量規制にひっかからないという商品であることを今一度認識した上で、借入を検討しましょう。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です